治療について

ここでは腰部脊柱管狭窄症の治療法にはどのようなものがあるかについて解説しています。

初期の腰部脊柱管狭窄症には保存的治療を行うのが一般的

腰部脊柱管狭窄症は進行して重篤な状態でなければ、症状が出てから少なくても数ヶ月は保存的治療を行うのが一般的です。

症状の軽い場合は姿勢の改善や運動を心がけ、痛みがある場合は薬物療法、理学療法、装具療法などを試しながら経過を観察します。

  • 薬物療法
    ボルタレン、ロキソニンなど非ステロイド消炎鎮痛薬や血管拡張作用により神経に血流を増加させ痛みを減少させるオパルモン、神経根や馬尾の血流を改善することで間欠跛行を改善させるプロスタグランジンE製剤などの血行改善薬が用いられます。また、貼付薬や塗り薬などを使用する場合もあります。
    ……………………………………………………………………………………………
  • 理学療法
    ホットパック(局所を緩める)による温熱療法、超音波療法。場合によっては腰椎の牽引(引っ張る)を行うことがあります。血流改善、鎮痛効果が期待されますがこれらの効果についてはまだ完全に証明されているわけではありません。
    ……………………………………………………………………………………………
  • 装具療法
    腰椎圧迫骨折やすべり症の初期では硬性コルセットを使用しますが、脊柱管狭窄症の場合は日常生活に支障が出るため軟性コルセットを使用します。腰部を安静させる目的でコルセットを装着するのですが、腰を少し曲げた状態で固定する屈曲コルセットを使用する場合もあります。
    ……………………………………………………………………………………………
  • 神経ブロック
    硬膜外ブロック、神経根ブロック、仙骨ブロックなど神経の痛む場所に局所麻酔剤やステロイドを注入して知覚神経を麻痺させたり炎症を抑えたりします。薬物療法で効果が得られない場合、痛みが強い場合などに実施します。

保存的治療で効果がない場合は手術を検討

保存的治療をしばらく続けていても間欠跛行がひどくなり日常生活が辛くなる場合、また筋力低下や安静時にも痺れが出る場合、排泄機能の障害がある場合は手術治療が検討されます。

腰部脊柱管狭窄症の手術の基本的な考えは、脊柱管を広げることで神経への圧迫を取り除くことです。

手術の方法は痛みの原因により異なります。基本的には椎弓を部分的に削ったり(開窓術)、場合によっては全部除去(椎弓切除術)します。

また腰椎の安定が悪い場合は骨盤から採取した骨を腰椎に移植して金属で固定したり、インプラントで腰椎を補強する場合もあります。

下肢痛や歩行障害があっても人によって不満の感じ方が違うため、どのタイミングで手術に踏み切るかというのは患者自身の目指すQOL(生活の質の向上)のレベルによって異なります。

しかし、症状が重篤になり下肢筋力の低下が進んでしまうと、手術をしても痛みや神経機能の回復が不良となる可能性が高くなるので、神経障害が進行する前に手を打つことが大切です。

軽度の場合は手術をしなくても症状の改善が見込めますが、保存療法を行なっても効果がなく、症状が重いようであれば手術を選択肢に含めることを検討すべきでしょう。