腰部脊柱管狭窄症ガイド HOME » 知っておきたい腰部脊柱管狭窄症の手術のこと

知っておきたい腰部脊柱管狭窄症の手術のこと

ここでは、腰部脊柱管狭窄症の手術に関連する情報についてまとめて紹介しています。

腰部脊柱管狭窄症で手術が必要とされるケース

腰部脊柱管狭窄症の治療では、保存的治療を数ヶ月続けても効果が認められない場合があり、その際は手術が検討されます。

腰部脊柱管狭窄症は脊柱管が狭くなって神経を圧迫することが原因です。保存的治療だけでは限界があることも確かであり、その際は手術によって改善が期待できます。

手術治療では狭くなった脊柱管を広げて神経への圧迫を取り除くため、根本的な治療が期待できます。ただし、手術にはリスクが伴うため、合併症が起こる可能性はゼロとは言えません。

できるだけ手術のリスクを回避して、元の健康な状態まで戻すためには、良い医師に巡り合えるかどうかがポイントになります。そのためには病院や医師の手術実績や口コミなどを参考にしながら、慎重に病院選びをするようにしましょう。

また、狭窄症の手術にはまとまった費用がかかります。術式によっても金額は変わりますが、神経の周辺を治療する手術になるため、高度な技術が求められます。そのため、手術費用も決して安いとは言えません。

さらに手術を受ける際には退院後のことも考え、社会復帰まで2週間程度の休みを取るなどして、余裕をもって臨むことが必要です。

腰部脊柱管狭窄症の手術を受けた後はリハビリを経て2週間程度で退院できます。ここで大切なことは、リハビリにしっかりと取り組むということ。せっかく手術を行なっても、以前と同じ生活スタイルのままでは再発の可能性があります。筋力トレーニングなどを行なって、下肢の筋力や全身持久力を回復させることが大切です。

腰部脊柱管狭窄症の手術のメリット・デメリット、手術方法と費用目安、術後のリハビリについてはさらに詳しく解説しています。手術を検討されている方は参考にしていただければ幸いです。

腰部脊柱管狭窄症手術のメリット・デメリット

腰部脊柱管狭窄症の手術は、飲み薬や神経ブロック療法(注射)を行っても改善の効果が薄かったりみられない場合や神経麻痺などの症状が出ている場合に、物理的な治療手段として用いられています。

術式の一つには椎弓や黄色靭帯などの部位を切除して、狭くなってしまった脊柱管を広げる方法、さらにそこから上下の骨を癒合させる方法などが挙げられます。

以下に、腰部脊柱管狭窄症に関する内視鏡を用いた低侵襲手術の方法を紹介したいと思います。

腰部脊柱管狭窄症に対する内視鏡下椎弓切除術の術式として,片側の椎弓間から進入して進入側および反対側の除圧操作を行う片側進入両側椎弓切除術が行われている。

全身麻酔下に正中から約15mm外側に約20mmの皮膚切開を加え,専用の器機で多裂筋内を鈍的に進入してチュブラーレトラクターを設置して内視鏡下に除圧を行う。脊柱管狭窄の原因である変形した両側椎間関節の内側部分と肥厚した黄色靭帯を切除することで除圧を完成させる。本法については、すでに良好な短期成績が数多く報告されている。

出典:京都府立医科大学雑誌:『腰部脊柱管狭窄症に対する低侵襲手術』
http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/jkpum/pdf/118/118-4/tokusyu-harada.pdf

※腰椎にずれが生じている場合は別途固定が必要になるため、手術のプロセスが変わります。

近年では手術における侵襲を減らすために、内視鏡を用いた最新の手術を行うクリニックが増えてきています。内視鏡を用いることにより、患部へのダメージや組織への侵襲を最小限に抑えることができます。

メリット

腰部脊柱管狭窄症の手術のメリットは、注射や飲み薬では改善しない症状に対して、確実な方法で治療を試みることができるという点にあります[1]。

また内視鏡を用いることによって傷痕が小さく目立ちにくくなるということや、筋肉を大きく切開しないため組織へのダメージを最小限に抑えられること、傷跡を最小限にして術後の痛みを軽度に抑えられるなどのメリットも期待できます。

内視鏡手術は傷跡が小さいため、手術部位への細菌感染のリスクも少なく抑えられます。傷の治りも早く、4泊から7泊程度で退院し、日常生活に戻ることができます。

デメリット

患者さんの状態によっては手術後に神経症状が出る可能性があります。また医師の技術力により患部に痛みが出るといった可能性もあります。

手術では椎弓などの部位を切除するため出血量がやや多くなり、手術にかかる時間も少し長くなる傾向にあります。

また、脊椎の内視鏡手術は開発されてから日が浅いため、日本国内では限られた施設でしか受けることができません。

これらのデメリットを最小限に抑えるためには、日本整形外科学会によって正式に認定された脊椎内視鏡下手術の認定医を受診するようにしましょう。

【参考URL】

参考[1]:京都府立医科大学雑誌:『腰部脊柱管狭窄症に対する低侵襲手術』
http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/jkpum/pdf/118/118-4/tokusyu-harada.pdf

手術の目的とは

腰部脊柱管狭窄症の手術を行うメリットとしては、最初から手術治療を行うのではなく、保存的療法から始めるということが挙げられます。

腰部脊柱管狭窄症は神経の圧迫が原因であり、保存的治療だけでは間に合わない場合は、物理的に脊柱管を広げて神経の圧迫を取り除く必要があります。

保存的療法のみで効果がない場合には、より確実な手術という物理的療法も選択肢の一つとして挙げられます。

手術のデメリットとしては、軽度の痺れや麻痺などが残る可能性、また下肢の筋力低下などが考えられます。事前に医師と話し合い、自身の状態や麻酔の影響などについて説明を受ける必要があります。

腰部脊柱管狭窄症の名医を探すためには、十分な治療実績を持っていること、また手術をせずに痛みを軽減させられる治療法を持っている医師をあたるのも一つの方法です。

いずれにしても、狭窄症の手術は熟練した技術を持つ脊椎外科医が執刀することが成功のポイントとなります。

「手術の目的とは」の詳細はこちら>>

手術方法の種類と費用目安

腰部脊柱管狭窄症の手術方法は、圧迫部を除去する除圧術のほか、腰椎の不安定性を固定する固定術なども行われています。

費用の目安としては、椎弓切除術で30万円から40万円、脊椎固定術で40万円から60万円(いずれも3割保険適用)となります。

治療費の支払いには、高額療養費制度によって健康保険に申請を行うことで、一定額を超えた金額が戻ってくるため、こちらもあわせて知っておくとお得になります。

最近では入院期間の短縮も実現され、通常1ヶ月のところ、2週間程度で退院ができるようになっています。

手術にはまとまった額の費用がかかるため、治療代支払いのタイミングや掛けている保険金の受取り時期などを把握し、できるだけ計画的に進めていくのがおすすめです。

また、病院選びも手術に際して重要なポイントとなります。回復へのサポートの有無、最小侵襲椎弓切除術などの最新式の治療を得意としている病院であれば回復に時間がかからず、早期の社会復帰と治療費の節約につながります。

「手術方法の種類と費用目安」の詳細はこちら>>

術後のリハビリ

腰部脊柱管狭窄症の手術を行った後は、コルセットを患部に装着して、しばらくの間安静にします。

術後翌日より理学療法士によるリハビリが始まりますが、はじめのうちはベッドからの起き上がりや立ち上がりを練習し、翌日から歩行練習を始めます。

大体2週間程度で退院となりますが、術後に痛みが出た場合には入院期間が延長になる可能性もあります。

退院後は自宅で安静にしながら患部の回復を待ちますが、ストレッチやヨガなどの軽い運動をリハビリテーションに加えるなどして、少しずつでも自力で回復を目指すことがポイントとなります。

病院で行われるリハビリテーションの場合、保存療法の一環として行われるため、正しい姿勢で腰部に負担をかけないように歩行や起き上がり動作などを定着させていきます。こちらは2週間を目途にして行われます。

日常生活においては、腰に負担をかけないようにゆっくりと起きあがったり、姿勢のクセなどに注意し、適度に休息を取りながらの動作を心掛ける必要があります。

「術後のリハビリ」の詳細はこちら>>

脊柱管狭窄症の日帰りの手術について

腰部脊柱管狭窄症の日帰り手術には、主に「経皮的内視鏡下椎間板摘出術(PED)」と呼ばれる方法が採用されています。

こちらは腰椎と頸椎の両方に対応しており、最新式の施術として、内視鏡などの手術器具を挿入し、神経の圧迫部分を除去することができます。

経皮的内視鏡下椎間板摘出術のメリットは、日帰りでの手術が可能、また全身麻酔の必要がなく、体全体への負担が少ないことなどが挙げられています。

傷跡も最小限に小さく、皮膚の癒着の心配もないためきわめて安全ですが、ヘルニアの大きさによっては対応しきれない可能性や、症状によっては適用不可となる可能性があるため、事前に医師との相談が必要不可欠となります。

手術当日は飲食を行わず、手術箇所にマーキングを施して、内視鏡を通した状態で神経の圧迫部を確認し、圧迫を物理的に取り除きます。

術後は2度ほど検診に訪れる必要がありますが、検診が終了すれば手術はすべて完了となります。

「脊柱管狭窄症の日帰りの手術について」の詳細はこちら>>