術後のリハビリ

ここでは腰部脊柱管狭窄症手術後の経過や完治するまでに行うリハビリについて解説しています。

腰部脊柱管狭窄症の術後経過からリハビリ・退院まで

腰部脊柱管狭窄症で手術をした場合、術後はまずコルセットを装着して主治医の許可があるまで安静にします。脊椎固定術を行った場合は、骨癒合するまで硬い材質のコルセットを装着。

術後翌日から理学療法士によるリハビリを開始します。リハビリの目的は脊柱管が圧迫されている部分以外の体幹・下肢の筋力や全身持久力を回復させ、自立した日常生活を取り戻し社会復帰することです。

最初は身体の状態や痛みなどを確認しながらベッドでの起き上がり練習や立ち上がり練習を行います。症状の程度によって異なりますが、早ければ翌日くらいから歩く練習を始めます。

手術方法にもよりますが、ほとんどの場合、2週間後くらいには退院となります。但し、術後に腰部脊柱管狭窄症の痛みが出た場合には入院期間を延長する場合もあります。

退院してから注意したいこと

退院してからは外来での治療を行います。1ヶ月、3ヶ月、半年、1年の時点で、神経症状がないか確認をし、レントゲン撮影をして患部をチェックします。

せっかく手術を行なっても、以前と同じ生活サイクルを続けていると再発する可能性があるため、生活の仕方は変える必要があります。

筋肉トレーニングのリハビリを取り入れると腰椎が安定し、脊柱管狭窄症の再発を防ぐことにもつながります。ストレッチや体操、ヨガや水泳などを日課として毎日少しずつでも続けていくことが大切です。

鍼灸や整体などに通う人も多いようですが、知識のない治療院では腰部脊柱管狭窄症が悪化してしまったというケースもありますので注意が必要です。

コルセットは1ヶ月程度はしなければなりませんが、いつまでもコルセットに頼っていると腰回りを支えている筋力が弱ってきますので、定期的に外してストレッチをすることも必要です。

痛みが引いてきたらコルセットを外す頻度をできるだけ増やして、コルセットなしでも日常生活ができるようになることを目指します。

リハビリのメニューに関しては病院によって変わりますが、ストレッチや筋力トレーニングなどを状態を見ながら進めていくかたちになります。3ヶ月から半年くらい続けるとかなりいい状態になるようです。

痛みが強く、自力で通院することが難しいという場合には、訪問診療を活用するのもおすすめです。下記ページは訪問診療における整形外科の診療内容について紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

訪問診療の整形外科とは?診療内容を紹介(外部サイト)

手術後のリハビリテーション

腰部脊柱管狭窄症の手術を行った後は、まず腰にコルセットを装着し、患部を安静にします。脊椎固定術を行った後は骨が癒合するまで待たなければなりません。

早ければ術後翌日から、理学療法士とともにリハビリテーションを始めます。患者さんの体格や年齢、患部の状態に応じて無理のない範囲で始められます。必要に応じて電気治療や温熱治療などの物理療法を加えることもあります。

リハビリテーションは、物理的な手術ではない「保存療法」として行われます。そのため、症状をさらに悪化させないよう、ストレスの少ない姿勢などを日常生活から心掛けることになります。

患者さんによっては、腰部に負担をかける姿勢のクセや動作をお持ちの方もいますので、リハビリテーションによって姿勢を改善し、神経を圧迫しないようにストレスの少ない動作を獲得します。

術後しばらくの間は体の状態、痛みの程度などを見ながら起き上がり・立ち上がり練習を行います。翌日からは歩行訓練も開始し、正しい姿勢で歩くことを目的としてトレーニングを重ねます。

腰部脊柱管狭窄症の場合、多くは2週間程度で退院となります。強い歩行障害などが残っている場合は別途手術を行ったり、リハビリテーションの頻度を増やすなどして症状の改善を行いますが、2週間をめどにして保存療法を加えるのが一般的です。

術後すぐにリハビリテーションを開始する理由としては、入院中に活動量が減ることによる筋力の低下や柔軟性の低下を、できるかぎり最小限に抑えるため。また、リハビリは患者さんの体の血行改善や緊張の軽減などにも有効であるため、時間を置かずに行うほうが患部の回復には良いとされているのです。

ただしリハビリでは急な痛みやしびれが起こる可能性もありますので、そのような症状がみられる場合は安静にします。状態を見ながら少しずつ動作、歩行訓練などを重ねていきますが、長期間安静にし続けると筋力が低下するおそれがあるため、なるべくリハビリテーションは適度なタイミングで続ける必要があります。

腰部の痛みが慢性的に続く方には、ある程度経過を見てからリハビリを開始します。その場合も、痛みが落ち着き次第筋肉の緊張をほぐし、血流改善を行うために運動療法を加えていきます。

保存療法として行われるリハビリテーションには、動作訓練のほかにもストレッチなどが行われます。仰向けに寝て両脚を腕で抱え、そのまま体を丸めるようにして、同じ姿勢を30秒程度保持します。このような運動を通して体幹が鍛えられ、筋肉の柔軟性が高められます。

日常生活で注意したいこと

日常生活では、リハビリの段階で学んだことを活かして、腰に負担がかからないよう注意しながら回復に努めるようにします。

特に、腰に圧迫を与えるような姿勢や姿勢のクセに最大限注意が必要です。特に術後は患部がデリケートな状態になっていますので、少しでも神経を圧迫すると痛みが出るおそれがあります。

普段の生活の中で、屈んだり上半身をひねって後ろを向くといった動作は頻繁に行われますが、急な動作は痛みを増す可能性がありますから、負担をかけないようゆっくりとした動きが推奨されます。

床や布団から起き上がる場合にも、足を曲げた状態で体全体を横向きにし、そのままひじを使って体を起こし、ゆっくりと起き上がります。ベッドの場合は脚から先に下ろすようにします。

突然上半身を起こしたり、腰を使って背中から起き上がろうとすると、腰部に強い負担がかかります。そのような動作のクセがある方は、リハビリテーションでしっかりと動作の順番を覚え、負担にならないように注意するようにします。

立ち上がりについては、テーブルや机のはしにつかまって、腰に負担をかけないようにして足から体を立てるようにします。腰を反らす、ねじるといった動作に注意が必要です。痛みがある場合は杖や椅子などを使い、休息を取りながら歩行を行うようにします。