閉塞性動脈硬化症との違い

腰部脊柱管狭窄症と症状が似ている病気として、閉塞性動脈硬化症が挙げられます。まったく異なる病気であるため、その違いを明確に理解しましょう。

閉塞性動脈硬化症とはこんな病気

  • 閉塞性動脈硬化症の主な症状

腰部脊柱管狭窄症と非常に似ており、足のしびれや長時間歩行が困難となる間欠性跛行などが見られます。少し休むと回復する点も、症状が類似しているため、どちらかの病気だと誤った思い込みをしてしまうケースも多いようです。

  • 原因

その名の通り、動脈硬化から派生する病気の一種です。足に症状が出ますが、足の病気というわけではなく、血管の病気となります。さらに、動脈硬化から派生する様々な別の病気の併発には、とくに注意をしなければなりません。脳血管障害の多くは、もともと動脈硬化に原因を置くものが多く、たとえば脳梗塞や脳出血なども、多くの場合は動脈硬化が前提となっています。一刻も早い治療が望まれる病気の一つです。

  • 治療方法

痛みが足に見られるため、足の治療をすると思っている方も多いようですが、血管障害を改善させるための治療をします。

閉塞性動脈硬化症と腰部脊柱管狭窄症の原因の違い

動脈硬化の原因と同じで、主に生活習慣が、閉塞性動脈硬化症の主な原因となっています。

脂を多く摂取する習慣、喫煙、糖尿病、高血圧などが発症の原因となります。動脈硬化によって足の血管が固くなり、血行不良が生じて閉塞性動脈硬化症へと至ります。

一方で、腰部脊柱管狭窄症は、加齢や先天異常により脊柱管が狭窄することが大きな原因。中を通る神経の束が圧迫され、痛みやしびれといった症状があらわれます。

閉塞性動脈硬化症と腰部脊柱管狭窄症の見分け方

同じ足の症状ですが、いくつか特徴的な違いがあります。

  • 前かがみになったときの痛み

腰部脊柱管狭窄症は、前かがみになると足の痛みが治まるケースがほとんどです。一方、閉塞性動脈硬化症の場合は、前かがみになっても足の痛みは治まりません。これが最も大きな違いであり、医師からも重点的にチェックされます。

  • 立っているときの痛み

腰部脊柱管狭窄症は、立っているだけでも足が痛みますが、閉塞性動脈硬化症は、立っているだけでは足が痛むことはありません。

  • 足の脈拍の状態

腰部脊柱管狭窄症は、足の脈拍が正常に触れるといった特徴があります。閉塞性動脈硬化症の場合は、足の脈拍が触れないか、振れてもとても小さなものです。

以上のような違いを確認し、ある程度は自分で見分けることが可能です。しかし、いずれの場合も、閉塞性動脈硬化症は命に関わる病気。疑わしい症状が確認された場合には、すぐに病院で診察することをオススメします。