原因から治療まで!腰部脊柱管狭窄症のパーフェクトナビ
腰痛や痺れなどの症状が現れる腰椎すべり症は、腰部脊柱管狭窄症と似ているといわれています。しかし、発症の原因や治療方法などに違いがあり、それぞれ異なる病気です。ここでは腰椎すべり症について詳しく見ていきましょう。
腰椎すべり症では、主に腰痛と坐骨神経痛の症状がみられます。足の痺れや痛み、少しの距離を歩いただけでおしりや太ももに痛みが現れることが多い病気です。休息を取ることで痛みは緩和しますが、再び歩き始めると痛みが出るような症状も特徴的です。
痛みや痺れの症状は、人によって程度が異なり、腰痛が全くないケースもあります。必ずしも痛みがあるわけではなく、軽度の場合は自分で気づきません。レントゲン検査などで、偶然発見されることがあるでしょう。
腰椎すべり症の原因は、はっきりと明らかになっていません。ただし、成長期の子どもやスポーツ選手が腰椎に過度な負担をかけることで腰椎分離症が起き、進行すると腰椎すべり症に移行するとされています。これを分離すべり症といいます。
また、加齢に伴って椎間板が変形することで腰椎すべり症を発症することが多くみられます。これを変性すべり症といいます。
腰椎すべり症の治療として、痛みを緩和させるための薬物療法と腰の負担を軽減させるためにコルセットを装着します。このような保存療法と、ストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリを併用することで、症状を緩和へと導きます。
保存療法では症状が軽減できない場合や、歩行や立位が困難で日常生活に支障が出ている場合は、手術療法を検討。神経の圧迫を除去する方法、脊椎を固定する方法を行います。
腰椎すべり症には、主に疲労骨折と加齢によるものに分類されます。成長期に行う激しい運動やスポーツ選手にみられる疲労骨折が進行した「分離すべり症」、加齢による椎間板の変形から起こる「変性すべり症」です。
腰部脊柱管狭窄症は、加齢や先天性が要因で脊柱管が狭くなり、内部に走行している神経を圧迫することで、痛みや痺れを引き起こします。
どちらの病気も、腰の痛みや足の痺れなどの症状は共通しますが、原因が異なる病気といえます。
腰椎すべり症と腰部脊柱管狭窄症の見分け方の参考として、主に3つのポイントに沿って解説します。ただし、自己判断はしないよう注意してください。痛みが続く場合や日常生活に影響を及ぼしている場合は、専門家に相談しましょう。
腰椎すべり症は、腰椎がずれて不安定になると痛みがあることが症状の一つです。そのため、身体を動かすと痛くなります。安静にすると痛みは緩和しますが、動き始めると再び痛みが出ると言った特徴があります。
一方で、腰部脊柱管狭窄症は、腰痛や痺れにより歩行が困難になることも多くみられます。
腰椎すべり症は、少しの距離を歩くだけで痛みが出てしまうため、長い時間歩くことが難しくなります。
腰部脊柱管狭窄症は、直立歩行が困難になります。長時間歩くことで痛みが出て、休むと痛みがなくなる歩行が特徴的です。
腰椎すべり症は、骨の成長過程である10代の疲労骨折から移行する「分離すべり症」と、加齢に伴う変形による「変性すべり症」に分類される発症年齢が特徴的です。
一方、腰部脊柱管狭窄症は先天性と加齢に伴い発症しやすくなる病気です。そのため、高齢者の腰痛の要因として、腰部脊柱管狭窄症と診断されます。