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腰部脊柱管狭窄症のストレッチ効果について

腰部脊柱管狭窄症により、腰部や足に痛みと痺れが生じます。この症状を緩和するために、ストレッチを行うことが効果的です。

ここでは、腰部脊柱管狭窄症の症状緩和に役立つ、日常的に取り入れやすいストレッチや工夫について解説しています。

腰部脊柱管狭窄症に対するストレッチの効果

腰部脊柱管狭窄症は、腰部にある脊柱管が狭くなり、その内部に通っている神経が圧迫されて炎症が起きることが原因で腰部や足に痛みと痺れが生じます。その症状を緩和するためには、神経の圧迫を緩めることが大切です。

神経の狭窄部分をできる限り広げ、神経にゆとりを与えるストレッチは効果的とされています。効果があるストレッチや腰に負担をかけない日常生活の動作を続けることで、痛みや痺れは少しずつ楽になっていくでしょう。

腰部脊柱管狭窄症の症状緩和に役立つストレッチ

腰部脊柱管狭窄症の症状を緩和できるストレッチとしては、狭くなった脊柱管を広げる方法や神経の圧迫を緩める方法などが挙げられます。

ここでは、主に3つのストレッチについて紹介。痛みや痺れの状態を見ながら、できる範囲で行ってみましょう。

脊柱管を広げる

腰部の痛みや痺れが出る姿勢は、腰を反らしている状態がほとんど。腰を反らすことで、神経の圧迫が強くなり痛みが生じます。その改善に効果的なのは、狭くなった脊柱管を広げるストレッチです。

まずはリラックスして、ストレッチができる環境を整えましょう。そして、次の流れに沿ってストレッチを行ってみてください。

  • 枕やクッションを頭の下に入れて、仰向けになる
  • 両膝を曲げて、両手で抱え込む
  • ゆっくりと胸の方に両膝を引き寄せる
  • 深呼吸をしながら、5秒間ほど状態をキープする
  • この動きを10回ほど繰り返す

こうして腰を丸めるストレッチは、脊柱管の圧迫を緩める効果があります。腰部にかかるストレスを軽減させるため、ストレッチをしている間は痛みや痺れが和らいでいると感じるでしょう。

他にも脊柱管を広げる方法として、布団や椅子などに足を乗せる姿勢も効果的です。日常生活の中でも、腰を屈めた姿勢を意識することで狭窄した脊柱管にゆとりを持たせてあげてください。

腰をひねる

腰部や足に痛みと痺れが出てしまうと、体を動かすことが億劫になり、長時間同じ姿勢をとってしまう方が多くみられます。こういった状態が続くと、足腰の筋力が低下し、さらに動くことが難しくなってしまいます。

そのため、腰の筋力を鍛えるストレッチも効果的です。次のポイントに沿ってストレッチを行いましょう。

  • 顔と上半身は正面を向く
  • そのまま腰から下だけをひねる
  • 反対側も行う

ただし、過度なひねりは痛みや痺れを強めてしまう場合があるため、症状を確認しながらストレッチを行ってください。

腹筋を鍛える

腰部脊柱管狭窄症の症状を緩和させるためには、筋力をつけて腰を安定させることも大切です。そこで、腹筋を鍛えるためのストレッチを紹介します。次の流れに沿って、ストレッチを行ってみましょう。

  • 四つん這いの姿勢になる
  • 背中を丸めて、リラックスする
  • 腰を反らさないように、お尻を後ろに移動させる
  • 顔は上げて正面を向く
  • 深呼吸を続けて、約10秒間同じ姿勢をキープする
  • これを3回ほど繰り返す

ストレッチ中に痛みや痺れが生じないよう、背中は反らさずに行うことを意識してください。

ストレッチを行う際のポイント

腰部脊柱管狭窄症の痛みや痺れに効果があるストレッチですが、動きによっては症状を悪化させてしまう場合があります。そこで、ストレッチを行う際に注意して欲しい、2つのポイントについて解説します。

神経を圧迫する動きを避ける

腰部脊柱管狭窄症に対するストレッチは、背中を丸めたり屈めたりといった姿勢をとり、腰部にかかるストレスを軽減させる効果があります。これは、症状を緩和させることや症状を悪化させないこと、腰部への負担が少ない姿勢や動作を身につけることが目的です。

そのため、間違ったストレッチ方法で無理に腰部へ負担がかかる姿勢をとったり、痛みや痺れがある姿勢で動き続けたりすることは避けましょう。痛みや痺れが強まる場合があり、症状が改善されにくくなります。

神経をリラックスさせる時間も重要

ストレッチや筋力トレーニングとは別に、神経がリラックスできる時間を作ることも大切です。筋肉の伸長や増強、血流の改善を促すことで、痛みや痺れの症状緩和につながります。

神経をリラックスさせるためには、布団やクッションに膝から下の足を乗せて、足を高く上げる状態が良いとされています。その状態を維持したまま、好きな音楽を聴いたり読書をしたりして、心身ともにリラックスしてみましょう。また、睡眠時も足を高くあげることで、腰部への負担が軽減されるのでおすすめです。

日常生活で取り入れられる工夫

日常生活において、できる限り腰に負担がかからない動作を取り入れましょう。

  • 重い荷物は、膝を曲げて腰を下ろした状態から持ち上げる
  • 立ちながら家事をする場合は、片足を台に乗せて行う
  • 立ち上がる場合は、テーブルなどにつかまりゆっくりと行う
  • 歩く場合は、少し前かがみに歩く

痛みや痺れの状態をみながら、無理せずに動くことが大切です。また、外出先で症状が強まった場合は、椅子やベンチに腰かけて前屈みになった姿勢で休むと和らぐでしょう。