原因から治療まで!腰部脊柱管狭窄症のパーフェクトナビ
ここでは、骨粗鬆症の原因や症状、治療法などについて解説します。寝たきりのきっかけにもなる、恐ろしい病気です。
骨粗鬆症は、骨がスカスカになる病気、などとよく言われますが、まさにそのとおりです。
骨密度が低下し、骨本来の硬さが失われるため、軽い衝撃でも骨折を起こしやすくなります。
骨粗鬆症自体は、これといって痛みを感じるなどの症状があるわけではありません。本人の自覚がないうちに病状が進行し、ケガや身体機能の低下を引き起こすケースが多いため、早期発見・早期治療が大切とされています。
特に注意したいのは転倒です。転んだだけなのに重篤な骨折を起こし、それがきっかけで寝たきりになる人もいます。
骨折の起こりやすい部位は、大腿骨(太もも)と脊椎(背骨)です。脊椎では、主に腰椎(腰)の骨折が多く見られます。いずれの骨も体の根幹をなす部分です。特に腰は体の要とも呼ばれ、骨折によって寝たきりとなる可能性が非常に高い箇所でもあります。
また、密度の小さくなった骨が自らの体重によって縮み、身長が低くなったり、腰が曲がったりといった症状が現れます。
進行が遅く気付きにくい上、単なる老化現象と思いがちですが、少しでも気になることがあれば、早めの受診を心がけましょう。
骨粗鬆症の原因は、大きく分けて3つあります。1つ目は加齢、2つ目は薬物、3つ目は閉経です。加齢による骨粗鬆症は「原発性骨粗鬆症」と呼ばれ、骨粗鬆症のほとんどがこのタイプに属します。薬物による骨粗鬆症は「続発性骨粗鬆症」と呼ばれ、何らかの病気の治療のために服用した薬が原因となり発症します。
さらに、女性においては閉経によるホルモンバランスの崩れから骨粗鬆症を発症するケースが多く見られます。
骨粗鬆症にはいくつかの診断方法があります。中でもよく知られているのが骨密度測定法です。DXA(デキサ)法、超音波法、MD法と呼ばれる3種類の方法により、骨密度を測定します。
また、レントゲン検査や血液検査で補助的に骨粗鬆症の判定をします。
なお、骨密度検査によって、80%以上の場合は正常、70~80%の場合は要注意、70%以下の場合は骨粗鬆症と診断されます。
治療方法としては、本格的な薬物投与の前に、まず生活習慣の見直しを行います。加齢や閉経だけではなく、食事習慣、運動習慣が、骨粗鬆症の発症に深く影響しているためです。
その上で、ビタミン剤、ホルモン剤などの薬物を利用して、骨密度を高めていく治療を実施します。
骨粗鬆症は骨密度が減ることによって起きる骨の病気です。骨折しやすくなり、体を支える力が減ってしまうために、普段から骨粗鬆症にならないための予防策を取っておくことが大切です。
骨粗鬆症の予防には、普段の食事が基本となります。バランスのとれた食事を心掛けることによって骨が形成され、丈夫な骨として体を内側から支えることができます。
食事は基本的に五大栄養素を中心とした、バランスのとれたメニューが理想的です。特に骨密度が低い方はカルシウムをしっかりと摂る(牛乳1杯程度)ように心掛けましょう。また、カルシウムの吸収をサポートするビタミンDを含む食品も併せて摂りましょう[1]。
カルシウムは乳製品のほか、小魚やミネラルウォーター、緑黄色野菜、海藻などさまざまな食品や飲料に含まれています。食べやすいもの、口にしやすいものを中心に、カルシウム不足にならないように注意しながら食事を摂るようにすると良いでしょう。
ダイエットなどで食事が偏りがちな方も、ビタミンやミネラルなどの栄養素だけではなく、カルシウムもしっかりと摂るようにしましょう。特にたんぱく質は筋肉と骨の元になる栄養素ですから、炭水化物を抜いてもたんぱく質は欠かさずに摂ることが大切です。
カルシウムはサプリメントから一度に500mg以上摂取すると心疾患のリスクを上げると言われていますので、可能なかぎり食事から摂るようにし、過剰摂取には注意が必要です。一度にたくさん摂れば良いというわけではなく、いろいろな食品をバランス良く食べることが大切です。
健康で丈夫な骨の形成には運動も必要不可欠です。運動を怠った生活を続けていると、骨が弱くなり骨折しやすくなると言われています。逆に、しっかりと一定時間運動する習慣を続けていれば、筋肉が鍛えられ、骨が体内にあるカルシウムを引き寄せやすくなり、丈夫な体ができあがります。
運動といっても、強い負荷がかかるようなものをいきなり始める必要はありません。簡単な歩行やウォーキング、ランニングなどの有酸素運動でも問題はなく、運動を続けることによって血液の循環が良くなり、骨を形成する細胞の働きが活発になります。
また、全身を使う運動などは体の筋肉を鍛え、もっとも骨折しやすい下半身を鍛えることができます。筋肉が鍛えられれば体の動きが活発になり、転倒などのリスクを減らすことができるため、骨折予防に効果があります。
重い物を持ち上げるような強い負荷のかかる運動などは骨を強くすると言われていますが、散歩や簡単な歩行でも十分な運動になります。自宅で家事や掃除をこなしたり、職場で動くといった行動も予防に効果的です。
骨粗鬆症の予防に良い成分としては、カルシウムが挙げられます。カルシウムは骨を構成する成分であり、食事などから簡単に摂取することができる栄養素です[2]。
カルシウムは腸で吸収されて一度血液の中に入り、そこから体の各所にある骨に運ばれて、新しい骨が形成されていきます。
一方で、古くなった骨は「骨破壊」という経路を経て新陳代謝され、新しく取り入れられたカルシウムを元にして、しなやかな骨となって生まれ変わります。この過程がスムーズであるほどに、丈夫で強い骨ができあがります。
骨の形成については、カルシウム以外にもビタミンD・ビタミンK・たんぱく質などが必要となります[3]。
腸におけるカルシウムの吸収にはビタミンDの作用が必要なため、ビタミンDが不足するとカルシウムを吸収することができません。また、たんぱく質を摂取することでカルシウムが骨にしっかりと沈着するため、栄養バランスに配慮した食事が基本となります。
ビタミンKは、脂溶性ビタミンの一種であり、こちらも骨の維持に必要不可欠な栄養素です。骨にあるたんぱく質を活性化させて骨形成を促進するため、食事などから積極的に摂取すると良いでしょう。
【参考URL】
参考[1]:骨粗鬆財団 どうすれば予防できるの?
参考[2]:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会(日本骨粗鬆症学会 日本骨代謝学会 骨粗鬆症財団 委員長 折茂 肇
参考[3]:帝人ファーマ株式会社 骨粗鬆症とカルシウム