感染性脊椎炎

感染性脊椎炎の症状や原因、診断法や治療法などを解説します。免疫力が弱っている人は要注意です。

感染性脊椎炎の症状と原因

感染性脊椎炎には2つの種類があります。1つが結核性脊椎炎、もう1つが化膿性脊椎炎です。

結核性脊椎炎は、その名のとおり結核菌が脊椎に侵入する病気です。腰痛背中の痛み倦怠感微熱といった症状が長期にわたって続きますが、激痛や高熱は起こりません。
悪化した場合、結核菌に侵されて発生した膿が、脊椎を通って鼠蹊部や臀部にまで達します。

化膿性脊椎炎は、結核菌以外の細菌が脊椎に侵入する病気で、腰や背中に激痛が走ります。
痛みは安静時にもおさまらず、発熱を伴うのも特徴です。常に激痛に襲われるため、立ち上がり歩行することは困難になります。進行すると脊髄を損傷し、重篤な後遺症をもたらします。

いずれの脊椎炎も、細菌の侵入による膿の拡大が原因で症状を発症します。
通常であれば免疫力で排除できる細菌でも、免疫力が低下している時などは脊椎炎に発展してしまうケースがあります。

発症のリスクが高いのは、高齢者、糖尿病患者、がん患者、そしてストレスを多く抱えている人などです。

診断法と治療法

診断方法としては、まず血液検査を行い、白血球の数や特定物質の量の変化などを調べます。その上で、レントゲン検査、MRI検査、CT、骨シンチグラフィ、ツベルクリン反応などで脊椎の状態を調べます。
また、病巣組織や膿を採取して、細菌自体を調べることもあります。

結核性脊椎炎の場合は、抗結核薬の投与が行われます。比較的長期にわたる投与となります。
薬の治療でも症状に改善が見られない場合には、脊椎の損傷が進んでいる可能性が高いため、手術を実施します。

化膿性脊椎炎の場合は、まず抗生物質の点滴が行われます。
また、近年では、高気圧酸素治療が行われることもあります。高い気圧の中で、純度の高い酸素を吸わせることで、殺菌効果や免疫力を高めるといった方法です。

こうした方法でも症状の改善が見られない場合に限り、手術が行われます。手術では病気の原因となっている部分をよく洗浄して細菌を洗い流し、脊椎の破壊が見られる場合には他の部位の骨を移植して固定するといった治療が行われます。