原因から治療まで!腰部脊柱管狭窄症のパーフェクトナビ
ここでは腰部脊柱管狭窄症の治療法にはどのようなものがあるかについて解説しています。
腰部脊柱管狭窄症は進行して重篤な状態でなければ、症状が出てから少なくても数ヶ月は保存的治療を行うのが一般的です。
症状の軽い場合は姿勢の改善や運動を心がけ、痛みがある場合は薬物療法、理学療法、装具療法などを試しながら経過を観察します。
保存的治療をしばらく続けていても間欠跛行がひどくなり日常生活が辛くなる場合、また筋力低下や安静時にも痺れが出る場合、排泄機能の障害がある場合は手術治療が検討されます。
腰部脊柱管狭窄症の手術の基本的な考えは、脊柱管を広げることで神経への圧迫を取り除くことです。
手術の方法は痛みの原因により異なります。基本的には椎弓を部分的に削ったり(開窓術)、場合によっては全部除去(椎弓切除術)します。
また腰椎の安定が悪い場合は骨盤から採取した骨を腰椎に移植して金属で固定したり、インプラントで腰椎を補強する場合もあります。
下肢痛や歩行障害があっても人によって不満の感じ方が違うため、どのタイミングで手術に踏み切るかというのは患者自身の目指すQOL(生活の質の向上)のレベルによって異なります。
しかし、症状が重篤になり下肢筋力の低下が進んでしまうと、手術をしても痛みや神経機能の回復が不良となる可能性が高くなるので、神経障害が進行する前に手を打つことが大切です。
軽度の場合は手術をしなくても症状の改善が見込めますが、保存療法を行なっても効果がなく、症状が重いようであれば手術を選択肢に含めることを検討すべきでしょう。
こちらでは、腰部脊柱管狭窄症の病院以外での治療法と、正しい病院選びについて解説しています。
腰部脊柱管狭窄症の治療は、カイロプラクティックや鍼灸でも治療を行うことが可能です。
カイロプラクティックは、脊椎や関節の歪みを矯正して自然治癒力を高め、骨格や神経による痛みを緩和させることを目的とした治療法です。
腰痛が起こる原因として,椎間板が圧縮されることが挙げられる.椎間板が圧縮される ことにより神経が圧迫され腰痛となる.椎間板にあまり負荷をかけない理想的な姿勢が存在する.それは,カイロプラクティックにより決定されている.
カイロプラクティックでは歪みを治して姿勢を改善することによって、腰痛の原因となる椎間板に負担をかけないようにすることができます。
姿勢は全身の健康に影響を及ぼしますから、様々な部分の不具合を間接的に治すことができるかもしれません。
鍼灸治療も自然治癒力を高めるための治療です。全身の血液の流れや免疫機能を正常化させることで、痛みや疾患を治します。
機能的分類からみた鍼治療成績では,馬尾型,混合型に比べ神経根型の方が治療成績が良い傾向であった。
腰部脊柱管狭窄症における鍼灸治療の効果は、症状が起きている部位によっても変わるようです。足から腰にかけて症状が見られる「神経根型」には効果が認められたそうですが、その他の場合は効果が薄かったと報告されています。
神経根型の腰部脊柱管狭窄症で、取り敢えず痛みや症状を緩和させたいという方にはおすすめです。
ご紹介した2つの治療法のメリットとデメリットについて見てみましょう。
メリットとしては、やはり全身に働きかけるということでしょう。 カイロプラクティックは歪みを治すことで神経の働きを活性化させるので、全身の症状に効果的です。鍼灸治療は自然治癒力や免疫力を高め、人間の体を本来の状態に戻すことが目的です。
デメリットとしては、即効性や確実性に欠けるということが挙げられます。
また、手術をしない限り原因はそのまま残るので、また腰痛が起きる可能性や、腰部脊柱管狭窄症が改善されない可能性も残されています。
ご自身に合った治療法を選ぶためには、症状と併せて、どんな目的を達成したいのかということを考える必要があります。
例えば、カイロプラクティックや鍼灸治療では、腰部脊柱管狭窄症を治すことはできません。痛みや症状を緩和させて、腰痛が起こりにくい状態にするという治療です。
それに対して病院では、腰部脊柱管狭窄症の原因そのものを除去するため、的確に治療を行うことができます。他の治療法と比較して即効性と確実性が高いことは間違いありません。
痛みや症状を緩和させたいのか、腰部脊柱管狭窄症を治したいのか。目的を考えてみると、選ぶべき治療法が見つかるでしょう。
腰部脊柱管狭窄症を病院で治療をする場合は、病院選びが非常に大切となります。脊椎周辺は神経が密集しているため、手術を失敗した場合、下半身に障害が残ってしまう場合もあるためです。
病院選びで大切なことは、脊椎専門の病院を選ぶことです。専門の病院は脊椎の疾患に対する治療経験や実績が豊富なので、失敗の可能性は非常に低くなるでしょう。
また、脊椎専門の病院でなければできない最新の手術法も存在します。最新の手術法は傷跡も小さく、日帰り手術が可能な場合もあるので、体に負担をかけない手術法としておすすめです。