原因から治療まで!腰部脊柱管狭窄症のパーフェクトナビ
ここでは下肢のしびれや痛みなど腰部脊柱管狭窄症が疑われる症状について解説しています。
腰部脊柱管狭窄症とは何らかの原因によって腰部の脊柱管が狭くなり、脊柱管の中を通っている神経が圧迫されることによって腰痛や痺れを起こす病気です。
腰部脊柱管狭窄症は、腰痛や腰の周りが重い、違和感がある、ハリがあるなどといった異常を感じる他、お尻から足にかけての下肢に症状が出ます。
長時間歩いたり直立の姿勢を保持するとだんだん下肢が痺れたり重くなったり、痛みが出たりして歩行が困難になります。しばらくしゃがみこんだり、腰掛けて休むと症状が軽減したり無くなるといった特徴があります。
この症状のことを「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」と呼び、症状が進むにつれて歩行できる距離が段々短くなっていきます。最初のうちは200~300m歩けていたのが、進行すると数m歩くのがやっとという状態になります。
また、直立して歩くのは難しくても自転車なら問題なく運転ができる、スーパーでカートに掴まり腰を曲げていると歩きやすい、寝る時は身体を丸めると寝やすいが仰向けで下肢を伸ばすと寝られない、などといったことが起こります。
腰部脊柱管狭窄症の症状に共通しているのは、腰を伸ばしていると症状が出やすく、前に曲げていると症状が軽くなるということです。したがって腰の伸展や前屈に関係が深いと言えます。
腰部脊柱管狭窄症は悪化すると、歩行時に尿意をもよおしたり失禁したりする等の排尿障害や、失便・便秘、会陰部に灼熱感を感じる等の異常が生じます。
「間欠性跛行」は脊柱管狭窄症では共通した症状ですが、どこが圧迫されるかによって出てくる症状も様々で、足の痺れや麻痺、脱力感の他に、便尿が出ない・我慢できないなどの排泄障害が起こる場合も。
腰部脊柱管狭窄症で注意したいのが、年齢のせいで歩けなくなったのだろうという思い込みや自己判断です。
放置してしまうとますます悪化してしまう可能性があるため、間欠性跛行などの症状が出た場合は、速やかに治療を受けることをおすすめします。
脊柱管狭窄症と一口に言っても、症状や部位によっていくつかの種類に分類することができます。
病名としては同じ脊柱管狭窄症なのですが、症状が異なれば、患者本人にとっては別の病気のようなもの。それぞれ詳しく見ていきましょう。
脊柱管狭窄症には、大きく分けて3種類あります。
1つ目は「神経根型」と呼ばれる症状、2つ目は「馬尾型」と呼ばれる症状、3つ目は両者混合型の「神経根型+馬尾型」と呼ばれる症状です。
神経の流れに沿って痛みを発症するために、神経根型と呼ばれます。腰を伸ばしたり反らせたりすると症状が重くなり、前かがみになると症状が軽くなるというのが特徴です。
腰の痺れ・痛みから、足の痺れ・痛みまで、体の上部から下部まで症状がタテに走ります。
左右に同時発症する場合もありますが、多くの場合は、右か左、どちらか一方の発症になると言われます。
なお、腰部脊椎症、分離すべり症などとの併発があることが確認されています。
腰よりも下肢に痛みなどの症状が出やすいタイプです。臀部の血流障害を併発しているためと言われます。
両足に強い痺れや麻痺を感じることがあり、症状は神経根型よりも重いとされます。歩いては休む、を繰り返す「間欠性跛行」が見られます。
馬尾は膀胱や腸の働きと密接に関連しているため、排便や排尿の障害が見られる場合もあります。また、会陰部の違和感、男性においては極度の勃起症状などが見られることもあります。
なお、馬尾型は別ページで紹介している「変性すべり症」と併発する例がよく見られます。
神経根型と馬尾型の両方の特性を持った症状です。そのため、患者本人にとってはかなりの重症ということになります。
症状は、左右両方に発症することもあれば、片側だけに発症することもあります。
馬尾型よりも「間欠性跛行」が顕著になります。