腰椎分離症との違い

腰痛や痺れなどの症状が現れる腰椎分離症は、腰部脊柱管狭窄症と似ているといわれています。しかし、発症の原因や治療方法などに違いがあり、それぞれ異なる病気です。では、腰椎分離症について詳しく見ていきましょう。

腰椎分離症とはこんな病気

腰椎分離症の主な症状

腰椎分離症は、スポーツ中やスポーツ直後に腰痛を感じることが特徴的です。その他に、おしりや太ももの痛み、腰を反らすことで痛みが増すことも症状として多くみられます。若年層に発症することが多いですが、高齢者の腰痛や足の痺れとして気づくこともあります。

ただし、初期と進行段階では症状が異なるため注意が必要です。腰痛を自覚したまま長く放置していると、骨が完全に折れて分離が完成してしまいます。その結果、腰椎分離すべり症に進行し、治りにくい状態となるでしょう。

原因

腰椎分離症は、腰椎の後方部分に位置している椎弓が分離した状態のことを示し、主に疲労骨折が原因です。疲労骨折が起こる要因として、成長期にジャンプや腰の旋回などの負荷がかかること、スポーツの過度な練習により腰椎を反らす動きを繰り返していることが挙げられます。

スポーツ選手の約30%が腰椎分離症であるともいわれており、腰への過度な負荷によって引き起こされる病気といえるでしょう。

治療方法

腰椎分離症を発症している多くの方は、強い痛みがなく日常生活を送っています。そのため、治療方法は、病気の発見時期や症状の程度によって異なります。初期の段階で発見できた場合は、コルセットやギプス固定によって、疲労骨折で分離した骨が癒合させることが可能です。

しかし、痛みや痺れを我慢して長い期間放置していると、分離が進行しているでしょう。この場合は、痛みを抑える薬や注射、物理療法、理学療法などを取り入れます。さらに、日常生活に支障が出る痛みや痺れがある方は、神経の圧迫を除去する手術を行います。

腰椎分離症と腰部脊柱管狭窄症の原因の違い

腰椎は、5つの椎骨で構成されています。椎骨は、前方の椎体と後方の椎弓があり、その間に神経が通っている構造です。特に椎弓は、スポーツや腰をねじる運動などを繰り返し、過度な圧力を与えることで骨折しやすい部位となっています。この疲労骨折を、腰椎分離症といいます。

腰部脊柱管狭窄症は、加齢や先天性が要因で脊柱管が狭くなり、内部に走行している神経を圧迫する病気です。

どちらの病気も、腰の痛みや足の痺れは共通してみられますが、異なる原因で発症します。

腰椎分離症と腰部脊柱管狭窄症の見分け方

腰椎分離症と腰部脊柱管狭窄症の見分け方について、主に3つのポイントに沿って解説します。ただし、あくまでも参考であり、自己判断はしないよう注意してください。痛みが続く場合や日常生活に影響を及ぼしている場合は、専門家に相談しましょう。

痛みの症状

腰椎分離症は、運動中や長時間同じ体勢でいるときに腰痛を自覚することがほとんどです。また、背中を後ろに反らせたり、捻ったりすると痛みが増しますが、必ずしも痛みが出るわけではありません。

腰部脊柱管狭窄症は、腰痛や痺れにより歩行が困難になることも多くみられます。

歩行の仕方

腰椎分離症は、痛みや痺れがあっても日常生活に支障をきたすことなく生活できる方がほとんどです。ただし、痛いまま長い期間放置していると、足の痺れを引き起こし歩行時に症状が強まってしまう可能性があります。

腰部脊柱管狭窄症は、痛みや痺れにより直立歩行が困難になり、間欠性跛行の症状が特徴的です。このように、歩行の仕方が病気の見分け方の一つとなるでしょう。

発症しやすい年齢

腰椎分離症の初期段階は、成長期にある子どもに多くみられ、「腰が痛い」と訴えることで発見されます。その他に、スポーツ選手の約30%に発症しやすい病気としても知られています。

一方、腰部脊柱管狭窄症は先天性の他に、加齢に伴い発症しやすくなる病気です。そのため、高齢者が訴える腰痛として、腰部脊柱管狭窄症と診断されることが多くあります。

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